予測と行動の統一理論の開拓と検証
B02 蝦名鉄平

B02 蝦名鉄平

B02 環境予測と予測に基づく行動選択を実現する脳領域間ネットワーク連関の解明

本研究では、環境の変化に応じた運動を実行している時の小型霊長類コモンマーモセットを対象として、大脳皮質広域での大規模同時神経活動計測、その構成要素である個々の神経細胞を対象とした神経活動計測、領野間の情報伝達を担う投射軸索活動の計測を実施します。この結果から、環境予測や予測誤差、予測にもとづく行動の制御に関連する情報が大脳皮質の領野間をどのように伝搬し、投射先の領域でどのように変換される事が最適な運動の実現に必要なのかを明らかにします。さらにその機能的な因果性を光遺伝学による介入実験によって検証し、環境の変化による脳領域ネットワークの変動が行動の変化へと至る一連の情報フローを明らかにします。さらに、これらのデータを理論グループと共有することで、霊長類の大脳皮質における階層的な脳領域間ネットワークの変動がどのよう神経回路モデルあるいはアルゴリズムによって説明され得るのかを検証し、予測と行動のための脳機能の実体を明らかにします。

研究代表者

蝦名鉄平

東京大学大学院医学系研究科 講師