予測と行動の統一理論の開拓と検証
C02 平理一郎

C02 平理一郎

C02 大脳皮質領野間連携による多重予測のダイナミクス

我々のグループは、広視野2光子顕微鏡Diesel2p(Yu et al., 2021)を用い、頭部固定マウスの背側大脳皮質の広い領野の神経活動を2光子カルシウムイメージングによって計測することができる。この視野はACC, M2, M1, S1, PPC, RSC, V1を含み、これらの領域の神経細胞集団が持つ情報と、それらの間の相互作用を知ることができる。大脳皮質間の領野間相互作用は、従来特に視覚野における階層的な関係性が特に注目され、深層学習への応用に結び付いたのは周知の事実である。一方、上記の領野群は階層的な関係性によって一意に記述できるものではなく、多彩でマルチモーダルな情報が文脈依存的に領野間を行き来していると考えられる。本研究は、こうした大脳領野間の相互作用を複雑かつ多重の予測関係として記述することを目的とする。特に、感覚情報、場所情報、価値情報などのタイプの異なる情報が、領野間の相互作用によってお互いを多重に予測している様子を観察・制御することで、そのメカニズムを解明する。

研究代表者

平 理一郎

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 准教授

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