C02 コミュニュケーション時における親近感と違和感の脳内表象
本研究では動物個体間コミュニケーションを自由エネルギー原理の考えから捉え,動物個体間コミュニケーションにおけるシグナルのやり取りは,能動的推論により脳内の他者モデルを更新・最適化するプロセスであると仮説します。これを検証し,その神経基盤を明らかにするため,音声コミュニケーションを盛んに使用する鳥類をモデル動物として使用し,鳥類におけるヴァーチャル(VR)コミュニケーション実験システムおよび,シグナルに対応する応答の行動解析技術と脳内神経活動イメージング技術による客観的解析を実施します。本技術のもとクローズドループ実験系によるライブ個体とVR個体との音声コミュニケーションのやり取りを確立し,それを利用し,コミュニケーション過程においてVR個体の応答シグナルを人為的に改変した際の行動応答や脳内活動を計測します。これらの解析を通じ,コミュニケーション過程において脳内に形成する他者モデルの一端やその更新過程を神経科学的に明らかにすることを目指します。