予測と行動の統一理論の開拓と検証
C02 船水章大

C02 船水章大

C02 脳のベイズ実装における理論・行動・神経活動・遺伝子の階層構造の理解

脳と人工知能の違いを理解するうえで、遺伝子の存在は無視できない (Zador, Nat Commu, 2019)。脳の神経回路は、遺伝子で、ある程度の機能構造が定まっている。一方、人工知能は、主に学習によって0から回路を構築する。本研究は、脳で、意思決定の神経基盤と遺伝子発現の関係を検証する。遺伝子での神経回路の設計図が、発達期だけでなく、高次脳機能にどれだけ寄与するかを検証する。

代表者はこれまで、大脳皮質におけるベイズ推定の実装を、マウスで検証してきた。具体的には、大脳皮質におけるベイズ推定の事前分布、尤度、事後分布の実装様式を検証した。本研究も引き続き、マウスでの理論駆動の行動実験、二光子顕微鏡での神経活動計測、行動モデリングを行う。さらに本研究では、研究協力者の岸雄介先生の指導のもと、神経細胞の遺伝子発現を計測する。本研究は、脳の意思決定における理論・行動・神経活動・遺伝子の多階層構造をつなぐ。本研究は今後、意思決定の神経基盤検証だけでなく、精神疾患関連遺伝子と意思決定の関係検証にも繋がる。

研究代表者

船水 章大

東京大学定量生命科学研究所 講師

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研究協力者

岸 雄介

東京大学定量生命科学研究所 准教授

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