C01 シンボル系列の予測に関する脳の計算モデル構築
私たちは言語、数式、音楽など、様々なシンボル系列を扱いコミュニケーションを行なっています。2000年代に提案されたサプライザル理論は、言語の文処理の困難さを文脈に対する単語の出現確率を利用して定式化するものでしたが、近年の大規模言語モデルの発展により、モデルとヒト脳の文処理メカニズムを比較できるようになりました。他方、大規模言語モデルと脳活動との対応関係を評価する手法としては符号化モデル法や表現類似性解析など他の手法も広く使われており、それらの手法とサプライザル理論の関係は不明でした。そこで本研究計画では、大規模言語モデルとヒト脳の対応関係において、サプライザル理論と他手法の有効性を比較します。自然言語および数式刺激を利用した機能的磁気共鳴画像法(fMRI)の実験データから、大規模言語モデルを介して刺激のサプライザルを計算します。また並行して、大規模言語モデルより抽出した潜在特徴量を利用して脳活動を予測する符号化モデル解析および表現類似性解析を実施します。各手法の予測精度を比較し、大規模言語モデルと脳活動の関連性をより良く説明する手法を明らかにすることを目指します。
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