A01 生成モデルのリバースエンジニアリングに基づく脳型人工知能の創出
本計画研究では、我々が近年開発したリバースエンジニアリング手法に基づき、実験班(B00)が取得する様々な生物種(サカナ・ネズミ・サル・ヒト)の神経活動データから、それらを統一的に説明・予測可能な普遍的な生成モデルである「基盤脳モデル」を創出します。この基盤脳モデルは自由エネルギー原理に従う脳型人工知能であり、原理的には、様々なタスク下の神経活動や行動を予測できるはずです。未経験のタスクに対しても、外部システムが生成する感覚入力を与えれば、基盤脳モデルは起こりそうな神経応答や行動の定性的な予測を行います。タスクの初期の神経活動を入力すれば、その動物の生成モデルを再構成し、その後の神経活動や行動の自己組織化(学習)を定量的に予測します。もし予測が可能であればベイズ脳仮説や自由エネルギー原理、能動的推論の妥当性を実証できるため、理論班(A00)と実験班(B00)が連携してこれらを検証することで、統一理論の構築を目指します。本成果は脳の計算原理の解明に重要なだけでなく、次世代の脳型人工知能の開発や、新たなブレインマシンインターフェイスの創出、精神疾患の機序解明への応用が期待できます。